この記事では、スーツの保管方法について詳しく解説していきます。
スーツの寿命は、大きく分けると『保管方法』と『お手入れ』で決まってきます。お手入れまでは意識して行っている方も多いでしょうが、意外と軽視されがちなのが保管です。「スーツを脱いだら、ハンガーにかけてそのままクローゼットに保管している!」という場合は、知らないうちにスーツの寿命を縮めてしまっていることになります。お手入れだけでなく保管方法までしっかり意識することで、お気に入りのスーツを長持ちさせることにつながります。
ここからは、スーツを長持ちさせるための知識、普段の保管方法、長期間の保管方法について、順番にお伝えしていきます。お気に入りの1着を長持ちさせるために、ぜひ取り入れてみてほしいと思います。
はじめに|スーツは『保管方法』と『お手入れ』で長持ちします!
あくまでも目安ではありますが、スーツの一般的な寿命は夏用スーツで3年、冬用スーツで4年と言われています。目安としての寿命なので、スーツのお手入れと保管の状況次第でもっと長持ちさせることも可能です。
お気に入りのスーツやちょっと奮発して買った高いスーツは、誰でも「できるだけ長持ちさせて、長く着続けたい!」と思うはず。保管とお手入れをしっかり行って、お気に入りの1着を長持ちさせるようにしていきましょう。
また、冒頭でも『保管方法』と『お手入れ』が重要とお伝えしましたが、この記事では『保管』について詳しく解説していきます。『お手入れ』については軽く解説する程度になるので、詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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スーツの保管方法【普段編】|保管前のお手入れ・ポイントについて
ここでは、普段のスーツの保管方法について解説していきます。ここで解説する方法を意識するだけで、格段にスーツの寿命は長くなります。
- ポケットの中身はすべて出す
- ブラッシングしてお手入れする
- スチームアイロンでシワのお手入れをする
- スーツに合った専用ハンガーを使う
- 風通しの良い場所で休ませてからクローゼットへ
上記の5つが、スーツを保管する前に行う普段のお手入れやポイントとなります。できれば保管前に毎日行うのが理想ですが、毎日行うのが難しい場合もあると思います。できる範囲で取り入れていくことを心がけてください。
①ポケットの中身はすべて出す
ポケットの中に、物(名刺入れやペンなど)を入れたまま保管すると、その重みでスーツが型崩れしてしまう恐れがあります。スーツを保管する前には必ずすべてのポケットを確認し、ポケットの中身をすべて出しておくようにしましょう。
②ブラッシングしてお手入れする
ブラッシングは、スーツのお手入れの”基礎中の基礎”です。
- スーツの生地を整え、テカリや毛玉を予防する
- スーツに付着したホコリや汚れを落とし、虫食いを予防する
上記の2つはブラッシングをすることによるメリットです。スーツを長持ちさせるためには必須となってくるので、できればブラッシングはスーツを着る度に毎回行うようにしてください。毎回が難しい場合は、3回に1回はブラッシングをするようにしましょう。
ブラッシングの正しい方法については、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
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③スチームアイロンでシワのお手入れをする
シワを放置しておくと見た目の印象が悪くなるだけでなく、シワの部分に摩擦が起こりやすくなるため、テカリの要因となる恐れがあります。スチームアイロンでスチームを当てることで、シワはある程度解消することができます。こちらも出来れば毎回行うのが理想ですが、毎回が難しい場合はシワが気になってきたタイミングで行うようにしましょう。
クッキリと付いてしまったシワについては、スーツをアイロンがけしてしまうのも1つの手段です。下記の記事ではスーツのアイロンがけについて詳しく解説しているので、よかったら参考にしてみてください。
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④サイズの合ったスーツ専用ハンガーを使う
スーツとサイズの合っていないハンガーを使うと、スーツが型崩れしてしまう恐れがあります。ジャケット用のハンガーは、肩部分の厚みが3~5cmある木製のハンガーがベストです。スラックス用のハンガーは、木製のズボン吊りタイプのハンガーだと、裾(すそ)側を挟めばシワを伸ばしながら保管できるのでおすすめです。
スーツ専用ハンガーについては、下記の記事で選び方からおすすめハンガーまでを詳しく解説しているので、ハンガー選びの参考にしてください。
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⑤風通しの良い場所で休ませてからクローゼットへ
お手入れが終わってそのままクローゼットに保管してしまうと、スーツが含んだ水分が飛びにくくなるので、カビや臭いの原因となる恐れがあります。スーツを保管する前には、風通しが良い場所で休ませてからクローゼットで保管するようにしてください。
スーツの保管方法【長期編】|保管前の準備とポイントについて
続いて、衣替えなどで長期間スーツを着ない場合の保管方法について、詳しく解説していきます。長期間保管する場合は、普段の保管とは状況が変わってくるので、長期間の保管に合わせた準備が必要です。
- クリーニングに出す
- クリーニングから戻ってきたら、必ずビニールをはがす
- 保管カバーは、不織布製のカバーを使う
- 防虫剤と除湿剤を入れておく
上記の4つが、スーツを長期間保管する前の準備とポイントになります。次にスーツを着るときまで、スーツを良い状態で保管するためにいずれも必要な準備です。順番に詳しく解説していきましょう。
①クリーニングに出す
長期間スーツを保管する場合は、しっかりお手入れをしてから保管することが大切なので、クリーニングに出してから保管するようにしましょう。
クリーニングは、通常はドライクリーニングと言われる、水を使わずに有機溶剤を使うクリーニングを行います。長期間スーツを保管する場合にはドライクリーニングがおすすめですが、『油性の汚れを落とすのが得意』なクリーニングなので、汗や食べこぼしなどの『水溶性の汚れを落とすのは苦手』です。汗や食べこぼしに身に覚えがある場合は、料金はかかってしまいますが『水溶性の汚れが得意』なウェットクリーニング(汗抜き加工など)を追加すると良いでしょう。
②クリーニングから戻ってきたら、必ずビニールをはがす
クリーニングから戻ってきたスーツは、必ずビニールのカバーがかかっています。このビニールは、必ずはがすようにしてください。
このビニールをはがさずにそのまま保管している方も多いかと思いますが、実はスーツにとってはあまり良い環境ではありません。ビニールは通気性が悪いため、そのまま保管するとスーツに湿気が溜まり、カビや臭いの原因となる恐れがあります。ビニールをはがしたらスーツ専用ハンガーにかけ替えて、風通しの良い場所で陰干しするようにしましょう。
③保管カバーは、不織布製のカバーを使う
長期間スーツを保管する場合には、保管カバーは不識布製のカバーをかけるようにしましょう。
何もカバーをかけずに長期間保管すると、スーツの襟(えり)や肩にホコリが溜まってしまいますが、不識布製のカバーをかけることで、スーツをホコリから守ってくれます。また、不識布は通気性が良くスーツに湿気が溜まりにくいので、カビや臭いを防止することもできます。
amazonで5枚で1,970円ほどで購入することができるので、値段の参考にしてみてください。
④防虫剤と除湿剤を入れておく
スーツをクローゼットで保管する場合には、防虫剤と除湿剤も欠かせません。
防虫剤は虫食いの予防、除湿剤は湿気が溜まるのを予防してくれます。クローゼット内は風通しが悪く、不識布のカバーをかけていても湿気が溜まりやすい環境です。除湿剤を入れておくことで、クローゼット内の通気性の悪さを補うことができるので、忘れずに入れておくようにしましょう。また、定期的にクローゼットを開け放ち、クローゼット内の空気を入れ替えると良いでしょう。
ここまでにお伝えしたスーツの保管方法について面倒だと感じる場合は、保管サービス付きの宅配クリーニングがおすすめかもしれません。
宅配クリーニングとは、自宅にいたままクリーニングに出せるサービスです。外出しなくて済むのでクリーニング店に「持っていく・待つ・取りに行く」ということをカットでき、保管サービスもセットで付いてますので自宅のクローゼットに新たな収納スペ[…]
保管サービス付きの宅配クリーニングなら、クリーニングに出してそのまま次のシーズンまで保管してもらうことが可能です。自宅のクローゼットのスペースが増えますし、スーツも長持ちしますので一石二鳥です。
保管サービス付きでおすすめな宅配クリーニングについては、上記記事で体験談と共に紹介しておりますので、気になる方は是非参考にしてみてください。
【Q&A】スーツの保管に関する疑問を解消します!
ここでは、スーツの保管に関する疑問をQ&A方式で解消していきたいと思います。きっと多くの方が疑問に思うであろう内容をピックアップしたので、疑問の解消に役立てたら幸いです。
Q:スーツだけでなく衣類の保管サービスがありますが、利用した方が良いのでしょうか?
A:メリットとデメリットを考慮し、メリットの方が魅力的であれば利用すると良いでしょう!
スーツに限らず衣類の保管サービスは、最近では宅配クリーニングやトランクルームなどで利用することができるようになっています。主に衣替えなどの長期保管で利用する場合が大半だと思いますが、保管サービスに衣類を預けた場合のメリットが魅力的なのであれば、保管サービスを利用するのも良いと思います。
【メリット】 | 【デメリット】 |
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大まかではありますが、上記が保管サービスのメリットとデメリットと言えるでしょう。メリットの方が魅力的であれば、保管サービスの利用を検討してみても良いと思います。
Q:スーツの保管場所は、どのような場所が理想的なのでしょうか?
A:風通しが良く、直射日光が当たらない場所が理想的です!
湿気が多い場所だと、スーツにカビが生えてしまったり臭いが出てしまう原因となります。湿気からスーツを守るためには、風通しが良い場所で保管するのが良いでしょう。また、直射日光がスーツに当たると、色落ちや変色の原因となることがあります。直射日光が当たらない場所で保管することも意識してください。
クローゼット(ウォークインクローゼットを含む)や衣装ケースなど、一般的にスーツを保管するような場所では”風通しの良さ”がネックになってくる場合が多いと思います。
- 除湿剤を使う
- 定期的に湿気を飛ばす工夫をする(クローゼットを開けるなど)
- スーツはキャスター付きハンガーラックで保管し、風通しが良い場所に移動しやすくする
あくまでも1例ではありますが、上記のような湿気対策で工夫をして、スーツを良い状態で保管するように心がけてください。
Q:スーツを衣装ケースや箱で保管しても問題ないでしょうか?
A:湿気・虫食い対策さえしっかりしておけば、衣装ケースや箱で保管しても問題ありません!
衣装ケースや箱でスーツを保管する場合は、特に湿気対策が重要です。衣装ケースも様々な物がありますが、不織布製の衣装ケースは通気性が良く湿気対策にもなるのでおすすめです。プラスチック製の衣装ケースであれば、除湿剤と防虫剤は必ず入れるようにしましょう。
また、衣装ケースや箱で保管する場合は、シワにならないようなたたみ方も大切です。スーツのたたみ方については、下記の記事で詳しく解説しているので、たたみ方の参考にしてください。
この記事では、スーツのたたみ方について詳しく解説していきます。「スーツって、たたむことあるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、スーツのたたみ方を知っているといろんな場面で役に立ちます。 クローゼットにゆとりがない[…]
Q:スーツを保管するときに、省スペースのために圧縮袋を使っても大丈夫でしょうか?
A:スーツを圧縮袋で保管するのはおすすめしません!
圧縮袋を使ってスーツを保管すれば、確かに省スペースで保管することはできるでしょう。しかし、その代償としてシワや型崩れを起こす恐れが出てきてしまいます。
圧縮袋は無理やり空気を抜いてスーツを潰していくことになります。不自然なシワが付いてしまう可能性が高い上に、ジャケットなどの立体感が重要な部分についても潰れて型崩れしてしまう恐れがあります。シワと型崩れは、スーツにおいて見た目を左右する重要な部分なので、圧縮袋での保管はしない方が賢明と言えるでしょう。
まとめ|スーツはしっかり保管して、良い状態で長く着続けよう!
ここまでスーツの保管について、普段の保管方法や長期間の保管方法をお伝えしてきました。スーツの保管がお手入れと同様に大切な理由や、詳しい保管方法が分かったと思います。
- スーツの保管は、お手入れと並んでスーツの寿命に影響を与える
- スーツの保管方法は、『普段用』と『長期間用』で異なる
スーツを正しい保管方法で保管していれば、スーツを良い状態に保つことができるので寿命も長くなります。また、いつでもビシッ!したスーツを着ることができるので、見た目の印象アップにもつながります。普段用と長期間用で保管方法を使い分けて、スーツを長持ちさせてほしいと思います。
また、長期間スーツを保管する場合には、クリーニングに出してから保管することをお伝えしました。クリーニングと言っても、最近では宅配クリーニングなどもあって、いろいろと迷ってしまうこともあるかもしれません。下記の記事では、スーツのクリーニングについて詳しく解説しているので、クリーニングに出す際の参考にしてみてください。
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